平泉町と国土交通省東北運輸局は、「平泉の文化遺産」の世界遺産登録を見据え、中尊寺や毛越寺周辺で路線循環バスを使った交通渋滞の緩和策として、21日からの週末ごとに、「パークアンドライド」と呼ばれる社会実験を実施する。マイカーで訪れる観光客に、周辺の駐車場で車を降りてもらい、そこからはバスで観光地を回ってもらうという試み。世界遺産の観光地では、交通渋滞が頭の痛い問題となっているだけに、その効果に注目が集まる。
町内には、毛越寺や中尊寺など4か所に計約1000台分の公営駐車場がある。ところが、マイカーで訪れる観光客は中尊寺に最も近い中尊寺第1駐車場(155台、有料)に集中するため、駐車場前の国道4号では、週末になると駐車場の空きを待つ車の長い行列ができ、渋滞の原因となっている。平泉が世界遺産に登録されれば、道路の混雑はさらに悪化することが予想されることから、渋滞対策に乗り出すことにした。
実験は、7月13日までの土日の計8日間。国道4号沿いの2か所に、中尊寺第1駐車場の利用状況を知らせる掲示板を設け、8か所に他の駐車場へ誘導する案内表示を立てる。掲示板は第1駐車場から約1・5キロと3キロの場所に設置し、渋滞に巻き込まれる前に他の駐車場へ誘導する。
これと平行し、観光客の移動の「足」となるバスの本数を増やす。通常は約30分間隔で走っている循環バス「るんるん」号を10本増便し、15〜20分間隔で運行する。
また、中尊寺第2駐車場(270台、有料)、毛越寺駐車場(350台、有料)、柳之御所駐車場(150台、無料)の利用者には、300円の1日フリー乗車券を200円で販売。フリー乗車券を持つ客には、飲食店や温泉施設などで割引サービスを行う。
町は、実験期間中の交通量の変化や、世界遺産の登録審査の結果を踏まえ、駐車場の掲示板の常設やバス会社への週末の増便の働きかけなど、今後の渋滞対策につなげていく。同町の藤沢義人・世界遺産政策監は「マイカーを何度も駐車場に止めて観光するより、循環バスを使ったほうが安くて環境にも優しい。渋滞を避け、ゆったりと平泉観光を楽しんでほしい」と協力を呼びかけている。
(
読売新聞)